日々の地図

そうなのね。だから「ただいま」だったのね。

「ただいま〜!」

あれれ、

 

先ほど、学校から帰って「ただいま」の挨拶したばかりなのに、どうしたんだろう?

びっくりした私は慌てて玄関に走った。

 

我が孫の声とそっくり。
いつも一緒に遊んでいる同級生の男の子だった。

 

中学一年生になった孫には、小学生の頃から仲の良いお友達がいて、

学校が終わると我が家に集まり、4〜5人でいつも楽しそうにゲームをしています。

 

正直なところ、最初の頃の私は少し心配で心配で仕方なかったんです。

ゲームばかりしていて大丈夫かな。

お勉強は、ちゃんとしているのかなぁ。

もっと外で遊んだり、

他のことにも興味を持った方がいいのではないかな。

そんな思いが常にありました。

 

でも今は違います。

子どもたちは子どもたちなりに仲間との時間を楽しみ、笑い合い、幸せな時間を過ごしているのだと思えるようになりました。

 

その想いに私自身が変わったから尚更

みんなが可愛くて可愛くて。

私がお家にいる時は、手作りのおやつを用意してあげたくなっちゃうのよね。

「これすごくおいしいんだ」

「おばあちゃん、おいしい!」

「ごちそうさまでした。」

そんな声を聞くたびに、私の方が幸せをいただいています。

 

そうそう

先程の

「ただいま〜!」は、

我が孫の声とそっくりの同級生の男の子。

 

その声がなんだかとても嬉しくて、私は思わず、

「おかえりなさーい!」

と大きな声で返しました。

 

すると、その子はにっこり笑いながらこう言ったのです。

 

「僕ね、おうちに帰ったら誰もいなかったから、だから、ただいまって言ってみたかったんだ。」

 

その言葉を聞いた時、私の心は温かな気持ちでいっぱいになり、

思わずナイス!と言いながらハグハグ。

きっと優しいご家庭の中で育っているのだろうな。

普段交わしている

『ただいま』

『おかえりなさい』

という言葉の温もりをいっぱい幸せに感じている子なんだなと思いました。

 

その日、帰る彼の後ろ姿に向かって私は大きな声で。

「いってらっしゃーい!」

振り返った彼の笑顔は、とても輝いて見えました。

私は思わず心の中でつぶやきました。

「この子、天才だ。」

そして次の日。

玄関が開くと同時に、

「ただいまー!」

という元気な声。

やっぱり彼は、天才でした。

それからというもの、

「ただいま〜」

「おかえりなさ〜い」

「いってらっしゃい」

そんな言葉をその彼と自然に交わすようになりました。

何気ない言葉ですが、その一言に私は何とも言えない幸せを感じ、

彼の純粋さに惹かれました。

我が孫に向ける想いと何ら変わり無い私がいました。

誰かが待っていてくれる。
誰かが迎えてくれる。

そんな小さな幸せが、子どもたちの心を育てているのだと。

何気ない自然な挨拶は、

将来の夢大きな子供達の根っこを作っているんだなぁと。

今日も我が家には元気な声が響いています。

「ただいま〜!」

私は笑顔で返します。

「おかえりなさい」

それだけのことなのに、胸の奥がじんわりと温かくなるのです。

子どもたちは、本当に天才ですね。

その純粋な心で、大人が見過ごしてしまいそうな幸せに気づかせてくれるのですから。